ずっとあなたが好きでした
不安
俊也には感謝している。

私は少しは成長出来たかな?

俊也からメールがきた。

「明日から途中までだけど、一緒に登校しよ?」

それから、私達は毎朝一緒に登校するようになった。

最初は恥ずかしくて、顔もまともに見れなかった。

俊也に

「俺と一緒にいるの嫌?」

と聞かれたりした。

なかなか自分の気持ちを上手く伝えられなかったり、思ってる事が伝わらなくて、俊也の気分を害したりした。

そして、俊也は相変わらずモテた。

私は俊也に相応しくない…。

私では釣り合わない…。

俊也は本当に私みたいな子を好きなの?

私で良いの?

本当は違う子と付き合いたいんじゃないのかな?

一人で悩んではいつも不安だった。

お互い、部活のない日は一緒に帰った。

私が早く終われば、俊也の学校まで行き、俊也も早く終われば、私の学校まで来てくれた。

私の学校は女子校だったし、カッコ良い俊也が来ると、クラス中が大騒ぎになった。

「ちょっと!見てよ!校門のとこに超カッコイイ人いるんだけど!」

「え?マジで?わぁー超カッコイイじゃん!制服着てるけど、どこの学校?」

「保善だよー!うわぁー頭も良いじゃん!凄いー!」

「誰待ってるんだろ?うちの学校の誰かと付き合ってるんじゃないの?」

「えー?ヤダー!ショック!」

「でも、それしかないじゃん!じゃあ何で校門にあの人いるの?」

「分かんないじゃん!うち、女子校だし、誰か可愛い子みつけに来たかもしれないじゃん!」

「マジでー?」

「キャーヤダー!」

「私を彼女にしてー!」

「私だって、あの人の彼女になりたいし!」

「出会いないし、今すぐにでも、あの人の携番聞きたいんだけど!」

「えー!私も聞きたいしー!」

「じゃあ皆で聞きに行こう!」

「ヤダー!こっち見たー!」

「私の方見たし!」

「違うよー由美の方見たんだよー!」

「もう一回こっち見てー!」

「てか、四組の子も見てるじゃん!」

「マジで?ゲッ!三年も見てるよー!」

全校生徒が俊也を見て、騒いでいた。

私は皆に言えなかった。

俊也の彼女が私だという事を。

皆、がっかりするかな?

俊也の彼女がこの私なんて…。

皆、怒るかな?

怒るよね?

しかも、私に彼氏がいる事、誰にも言ってないよ…。

真穂にも由紀子にも…。






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