内緒の恋心
ちょっとした恋心


tururururu,turururururu

「ママ、れんわ、れんわちたよ」

「はいはい」

庭のお花に水をあげていた私に、電話の音に気が付いた3歳になる息子が声をかけてくれて、エプロンで軽く手を拭きながら急ぎ足で、家の中に入った。

「あら?」

着信の名前をみて呟いた。

「はい、もしもし?」

通話のボタンを押すと

「あ、俺」

聞きなれた声が耳に届く。

「どうしたの?」

その声は、私の旦那、佳(カイ)

「奈々、今日お昼時間ある?」

「うん、あるけど‥‥」

「家の近くで仕事があってさ、昼飯一緒にどうかなって思って」

「えっ、いいの?」

思わずテンションが上がる。

そんな私の反応に受話器の向こうから、くすくすと笑い声が聞こえた。

「いいよ。家の近くにファミレスがあっただろ?そこに12待ち合わせな」

「うん、わかった」

受話器を置くと、

「今日のお昼パパと一緒にお店で食べようって」

足にまとわりついていた息子に笑顔で話しかける

「パパと?おみしぇ?」

「うん」

私が笑顔でうなずくと、息子も嬉しそうに喜んだ。






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