この世界は残酷なほど美しい
~5.キミが好きみたい~


三日間、僕は学校を休んだ。
その間ずっと母さんの部屋で春さんが言っていた日記とやらを探して探して探しまくった。

本棚、机の中、ベッドの下。
ありとあらゆる場所を探した。
でもそれらしきものは見つからなかった。


はぁ…とため息をこぼし、柔軟剤の香りがする母さんのベッドへ横たわる。
母さんの部屋の壁には父さんの写真がいくつも貼ってあって、この部屋がアトリエ化しているのは間違いない。

そういえば父さんが仕事で撮ってきた写真を見ては母さんは嬉しそうにしていたっけ…
撮ってくる写真は人の笑顔ばかりなのに。



「日記なんて本当にあるのかな…」



春さんが言っていたことは本当なのだろうか?
まさか春さんの勘違い?
でも春さんはよく人のことを見ているし、親友である母さんのことだから間違えるはずがない。


でも見つからないんだよ。
時間だけが過ぎていって、肝心な物が見つからない。



母さんはどこに隠したんだ。




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