この世界は残酷なほど美しい
~2.それはあまりにも脆く~


夢を見た。
その中に母さんが出てきた。
だけど母さんは今にも泣きそうだった。
18歳の僕を見て幻滅したのか。何も成長していない我が子に腹が立ったのか。

でもそれを一番分かっているのは僕自身だ。


ゆっくりと目を開けると暗闇で光る星形のシールが視界に映った。
天井に散りばめられたそれは輝きを失ってはいなかった。
カーテンがきっちりと閉められているからだろうか。
太陽の光には負けるもんかと訴えているよう。


僕は星が好きだった。
ベッドカバーも星、壁紙も星、アクセサリーも星だった。
本棚には天体観測という文字の本が沢山並べられている。

ふと昨日出逢って少女のことを思い出した。
僕は忘れていた何かを取り戻そうとしていた。




「久しぶりに天体観測したいなぁ。」



お気に入りの場所。
でもここからでは少し距離がある。
今日は金曜日。
明日は有り難いことに休日だ。
行こうかな、心を綺麗にしてこよう。



今日の計画を立てて僕は体を起こした。




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