俺様王子の秘密
Season1☆
プロローグ
ずっと夢見てた。
いつか、少女マンガみたいな恋がしたい。
王子様みたいな人と、素敵な恋を――。
そして、高校生になった今――あたしの目の前で、今まさに少女マンガのようなことが起こっている。
「……ンッ……悠斗……」
「シッ。声出すなよ……」
今、目の前で男女が、キス、してる。
いずらい……。はずなのに、なぜか動かないあたしの両足。
「あ……」
うだうだしてるあたしに、男の子のほうが気付いてしまって……。
「悪ぃリコ。今日はここまで」
「えぇ〜? 悠斗、ダメぇ?」
「またおいで? その時に続きしてあげる」
「んー。わかった」
女の子は、教室から出ていく時にあたしのほうを軽く睨んだ。
うわー。やっぱり居たくない……。