俺様王子の秘密

最悪な高校デビュー


そもそも、なんでこんなことになったんだっけ?

あたし、中原緩奈。今日、念願の高校デビューした。

小さい頃から、高校生になるのが憧れだったあたし。
友達とカラオケ行ったり、ワイワイはしゃぐのって憧れない?

あたしの青春に刻まれる高校は、桜ノ泉高等学校――。

都内でも偏差値が高い高校で、オシャレな外装から、男女問わず人気のある学校。

そんな素敵な高校への入学式。あたしは、遅刻した…。

「遅刻だー――――!!」

時計は7:50を指していて。ネクタイを結びながら、お母さんへあたる。

「お母さん、なんで起こしてくれなかったの〜?」

「だって緩奈、何度起こしても起きないから」

相変わらず、マイペースなお母さん。まぁ、あたしに対してもマイペースで、あんまり怒んないいいお母さんなんだけど……。

「もう〜。いいっ! 行ってきます!!」

このまま言い争っても時間の無駄になると思い、急いで家を飛び出した。

ありがたいことに、高校とあたしの家とは、歩いて20分のところにある。
走っても10分。
ギリギリセーフかも……!


< 3 / 83 >

この作品をシェア

pagetop