引っ込み思案な恋心。-2nd
01☆運命のクラス替え
春の暖かく爽やかな風が気持ちいい。
校庭を囲むように咲くピンク色の桜の花が、また私を真新しい気持ちにさせてくれる。
私の名前は、杉田柚(すぎた・ゆず)。
この春、中学2年になりました!
「ねえ、柚ぅ〜、何組だった?」
「あかねちゃんは?私、2組だよ」
「マジでっ!?離れたぁーーーっ!私は3組……」
「うっそー?あかねちゃんと離れるなんて、ショックかも…」
2週間ほどの春休みが明け、久々に黒いセーラー服を着た。
そして…2年生の靴箱があるガラス扉の前で、1年生の時に同じクラスだった友達の馬場あかね(ばば・あかね)ちゃんと待ち合わせ。
そのまま私達は、2年生の担任の先生達が配るクラス替えの名簿をもらってクラスを確認した。
あかねちゃんとは小学校も同じだったんだけど、実はちゃんと仲良くなったのは中学校に入ってから。
1年生の時はクラスに私と同じM小学校の女子があかねちゃんしかいなかったから、よく下校を一緒にしていたこともあって、1年の時の友達グループの中ではもしかしたら一番話していたかもしれない。
調子に乗ったり軽い口調が目立つけど、本当はすごく友達思いで優しいんだ。
でも……、隣のクラスとはいえ、クラス離れちゃうなんて。
新学期早々ショックかもしれない。