引っ込み思案な恋心。-2nd
14☆最強のプレッシャー

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――










翌朝。



家から一歩出ると吐く息が白くて、冷たい北風が顔を打ち付けてきた。






そしてまだ人気のない道を歩いて、学校の前にたどり着いた。






校門から見える時計から、いつもより30分以上前に着いたみたい。






…あゆ、さすがにまだ来てないよね……?






昨日決まったことをとりあえずあゆに報告するために早くから登校したんだけど、たぶんあゆはいつも通り登校してくるだろうし……






靴箱で待っておこうかな?





でも寒いよね……どうしよう?






少し悩みながら校門をくぐり、靴箱までゆっくりと歩いていると、突然肩を叩かれた。






「柚じゃん。早いなぁ〜。はよーっす」



「え…っ!?拓???」






肩を叩かれた方向に振り向くと、そこには何故か拓の姿が。





何で拓が、こんな早い時間から学校にいるの?






「おはよう。拓こそ早いね」



「俺?今日朝練かと思ってたんだけど、間違えちまった〜。さっきグラウンド行ったら誰もいねーもんな」



「そうだったんだ」



「柚は?柚が朝早いのは知ってるけど、いつもこんなに早いわけじゃないだろ?」



「あ…、うん」






…そうだ。



あゆに話す前に拓に話そうかな。






どのみちアナウンスやることは拓にも報告しなくちゃいけないし…





別のクラスだからどうのとか言ってる場合じゃないよね。





ななっぺもそんなこと言ってたし。






「昨日、実行委員の会合があったんだけど…」



「あ〜、昨日だったんだ?それで?どーだった?」



「うん…」





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