イジワル王太子と政略結婚!?
国の皆は本当に結婚を喜んで祝福してくれてるのに、こんなんじゃ申し訳ないよ…。



あの日と同じように、鏡に写った自分の花嫁姿に目をやる。


シーナが選んでくれたっていうドレスは、悔しいけど自分でも一番似合ってると思った。


鏡台に両手をついて、はぁ…と深いため息をつく。




──コンコン。


『リリィ、入ってもいいか?』


ドアをノックする音の後、お父様の声が聞こえる。


「どうぞ……」

『お〜、綺麗だぞリリィ!若い頃の母さんにそっくりだ』

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