歳の差レンアイ、似た者同士。

意外な結末

「何やってんの?」

「何やってんだろ?」

救急外来に運ばれたとき、ホッとしたのは道重がいたから。

お前が当番だったのか~。

「ちょっとね、修羅場に出会って」

「あぁ、そう。着替えてきたら?どうせオペになるから」

胸にナイフ刺さった奴を前に、こんな悠長な会話ができるのは、この現場で、ある意味別の修羅場を乗り越えてきたからか。

「え、先生…オペって、手術すんのオレ!?」

「患者さん、意外と元気だね…。あのね、ハッタリで自殺未遂っぽいことしないでくれる?本気で死ぬ気なんてなかったんでしょ?」

超冷静な道重に諭されながら、自分のしたことの重大さに今更気付いてやがる。

何の運命か。

オレは好きな女の元彼(?)を助けることになったわけで…。




「タコさんの彼氏だろ?」

「なんで分かんだよ!?」

「修羅場って言ったから」

無事にオペが終わった後。

着替えながら道重が言った。

なんでバレんだろ…

「言わないから、安心しろよ。オレ口硬いし」

とか言いながら、ちょっと笑ってやがんの。

面白がられてる!?

「何笑ってんだよ!?」

「だって、伊崎って女の子を追いかけるタイプに見えないからさぁ。そういう必死っぽいところ、めずらしいなって思って」

「悪かったなっ!」

「あの患者の主治医にでもなったら?」

「ぜってーヤダ!!」

だから、笑うなっての!

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