歳の差レンアイ、似た者同士。

頭を悩ますもの

「イザキ、はよっ!」


更衣室で朝から爽やかスマイルを振りまいてる奴、道重律。

あのさ、、、

俺いまそんな気分じゃねーのよ…。


「はぁ~胃がいてぇ…」

「どうした?胃カメラ飲むか?」

「はぁ!?ぜってーヤダ!!お前の実験台じゃねぇ!!」

「なんだ、つまんねーなぁ」

「つまんなくない!!」


学生時代にお前のヘタクソな胃カメラで泣かされたし。

一生忘れねーからな。

って、朝から道重のキツイ冗談に付き合ってるヒマもないわけよ。

俺には最悪の状況が、今、身の回りで起きているわけで。


「親父がさ…倒れたんだ…」

「倒れたって…?」

「脳腫瘍で。画像見てくれるか?」


親父に渡された画像ファイルをパソコンで開く。

道重はしばらく見入っていた。

……お前の診断は?


「…良性腫瘍じゃない?ただ、前回の分と比べると急に拡大してるし…オペ適応か」

「そう言うと思ったよ」

「専門医は?」

「お前と同じ意見」


脳外科医をしている妹のダンナにも、同じことを言われたんだった。

別に道重の診断能力を試したわけじゃない。

もっと軽い病名を言ってくれるんじゃないかって、期待したから。


「もし障害が残ったら…そういうこと考えると、安易にオペを勧められないんだ」


親父が院長を務められなくなったら…あの病院はどうなるんだろう?

妹のダンナが継ぐのか?

それとも俺か??
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