歳の差レンアイ、似た者同士。

宇宙人の再来

***

荻原紗英はやってきた。

ケータイをカチカチやりながら、つまんなさそうな顔して待っていた。

よかった…ちゃんと来た。

ほっと胸をなでおろした。

重症化すれば命にも関わる心筋症。

進行はしてないようだな。

「荻原さん、どうぞ」

オレが声をかけると、顔をあげた。

やっぱ、かわいい。

…っじゃねーだろ!!!

ロリコンかオレは!!??

思わずニヤけそうになるのを堪えて、診察室に引き返した。

「先生、自分で呼びに行かないでください。段取りっていうものがあるんですからねっ」

「はいはい、すいませーん」

意地悪ナースのお小言には適当に返しておく。

すぐ後に入ってきた荻原紗英は、前と変わらずに無口。

「変わったことはありませんでしたか?」

「べつに…」

「疲れやすいとか、胸が痛くなるとか…」

「それはあるかな」

「…それは“別に”って言わないよね?変わったことあるじゃん」

「はいはい」

会話になんねーよ…。

無表情、無関心。

「荻原さんさぁ…なんか嫌なことでもあんの?この病気はストレスが関係してるから、なんかあんのかなーって」

「…放っといてよ!!」

いきなり怒りだした荻原紗英にギョッとする。

「なんでアンタに話さなきゃなんないの!?」

「…はい、すいません…」

っていうか……

「……っ」

な、なぜ泣くー!?

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