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ハジマリ
暗い闇の中
今にも崩れ落ちそうな馬車。
意識ははっきりしない私。
隣には
冷たい手の母。
大きな手の父。
馬車が止まると
父は闇に消えて行く。
隣で声を殺して泣く母。
「お母さん…お父さんどうしたの?」
何も言わずに抱き締める。
「ごめんね……」
そう言って母も馬車を降りた。
「お母さんっ!」
飛び降りようとすると
乗り組んでいた人に制された。
「お母さん…お父さん」
また…
「置いてかないでよ」
一人ぼっちなの?
「リア充だらけの街」
「嫌だ…よ」