ハジマリ

暗い闇の中

今にも崩れ落ちそうな馬車。

意識ははっきりしない私。

隣には

冷たい手の母。

大きな手の父。

馬車が止まると

父は闇に消えて行く。

隣で声を殺して泣く母。

「お母さん…お父さんどうしたの?」

何も言わずに抱き締める。


「ごめんね……」

そう言って母も馬車を降りた。

「お母さんっ!」

飛び降りようとすると

乗り組んでいた人に制された。

「お母さん…お父さん」

また…

「置いてかないでよ」

一人ぼっちなの?

「リア充だらけの街」









「嫌だ…よ」

< 1 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop