「これ以上は言えません。私の命に関わります」

「なら………うさぎ鍋?」

包丁を拾い上げる。

「それでも…言えません」

「わしはうさぎより鶏肉が…」

パコンとサニーに叩かれていた。

「牛肉にしなさいよ」

ツッコミを期待した相手を間違えた。

「「蟲」退治に行きますか」

「アリス…」

不意にログに呼ばれた。

さっきまで話してたんだから。

その話を持ち出されたら驚くのも無理ない。

「詳しく話をしたいんですが…」


「何よ?」

「彼女とデートなので失礼」

割れた窓から姿を消した。

「あれが有名な伝書うさぎぜよ。本当にいるとは驚きぜよ。」

「伝書鳩じゃなくて…うさぎ?」

「あれは数少ない「蟲」のうちで人間に害のないものよ」

あれも「蟲」なんだ。

「アリス…本当に行くんか?」

「うん…もちろん」

気持ちは変わらない。

伝書うさぎが言ったのが本当でも、


私は…


両親に会いたい。

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