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孤児院.
………………
孤児院に預けられた私。
「孤児」なんて年じゃない。
だけどこの街にはよくある。
親のいない子ども。
だから孤児院に預けられる。
「私はユーリ。貴方と同じぐらいの男の子がいるよ…おいで」
ちょっと小太りのおばさん。
黙ってついていく。
「名前は」
「アイリス…です」
「じゃあ、アリスだね」
「…………はい」
乗り気になれない。
なんせ、両親は目の前で行方不明。
そして一人。
バカップルだらけの街に置き去りをくらった。
「ログ」
ドンドンとノックしてユーリさんはドアを開けさせた。
「何者ぜよ」
背の高い人。
着物を着て、腰に刀。
厨2臭い奴。
私も人の事言えないか…。
背中というか腰には、
父からもらった包丁を潜めている。
抜いてはすぐに使える。
魚をおろすのも得意。
「ログ、こん子任せた」
「ユーリさん、そりゃないきに」
「標準語じゃないからわからない…じゃ」
あっさりと置き去りを食らった私。