「嘘ついたらウサギ鍋ぜよ」

「はは、それいい」

「嘘じゃないです。ほら、これ証明書です」

リアルはポシェットから手帳を取りだし、私達に見せた。

「伝書ウサギ クリア=カスポ=レッコ=ハギ=サアイ=フノエ…長っ」

「私の名前です。肩書きも一緒になるので私も分かりません」

「リアルってつけてもらって良かったわね」

「もっとかっこよければ」
「リアル…あんたが裏切り者じゃなくて良かった」

「アリス…さ」

ふわふわと飛んできて、額に手をあてがう。

「熱はない…ですね」

「リアル君…そんなに鍋の具になりたいのかな?」

「ち、違います」

「見て…日が昇るわ」

「まっことキレイぜよ」

霧が晴れて、日が差し込んで、町が動き出して

キレイなのにぽっかり空いた心。

「………朝日か」

「アリス?」

「何でもない…行こう」
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