森の中へ

キラキラと眩しい日差しが降り注ぐ。

もう、街は動き出している。

「お腹すいたー」

「確かに…何も食べてないものね」

「んめっ…はぁ」

「ログ一人で何食べてんのよ、よこしなさーい 」

「りんごぜよ…ほら」

半分私に分けてくれた。

「ありがとう…いただきまま 」

食べようとした瞬間に手からりんごが姿を消した。

「いただきー!」

「げっとにゃん」

「どっ、泥棒! 」

追いかけると見えない壁にぶつかった。

「 結界にゃん! 」

猫耳の少女と顔の似た少年が見えない壁の向こうであざ笑っていた。

「 非リア充、りんごならまだあるわよ」

「ムカつくー!」

「結界張られてます。……進めませんよ? 」

「カタ…付けるぜよ。アリス」

「私かよ!」

「あの…りんごはいいから、結界解いてもらえません?」

「「蟲」です。危ない」

短刀に手をかける。

「向こう側です。」

「 面倒だわ。 」

パーンと銃声が響き渡る。

「 さ、サニー」

結界を跳ね返してサニーの頬を掠めた。

「危なっ。 結界揺れてるわよ。」

キレ気味のサニー。

「キャシー…魔法陣」

少年が「 蟲」を刺した。

「ハグリー…間に合わなっ 」

いちかばちか。

短刀で活割いた瞬間なら当たるかもしれない。

「当たれ、ボケーっ!」

利き手じゃない手でレバーを引いた。



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