ドラマチックスイートハート
第2チャンネル―ドラマ制作

毎日稽古稽古……





日々繰り返す内に、撮影の日がやってきた。











場所は東京タワー近くの、雑居ビル沿いの歩道。










ここのロケは、石垣1人の歩く冒頭シーンから始まる。










そして、すれ違う天崎優。

振り返る2人。










と言うのを再現したいらしい。











まだロケが始まる前に、天崎は石垣に詰め寄った。










「ここのロケハンは、監督自ら探したみたいよ」










ロケハンとは、作家などがイメージした場所を探し出すこと。







通常は助監督などが行う仕事だが、細部にこだわる羽場監督は、自ら探し出したのだ。











「聞いてます……その話。

羽場監督は、本当に頭の中のイメージ通りに進めたい人なんですね」











先程天崎には既に挨拶を済ませていたので、すんなりと対話が出来たが……











「ほら、さっきも言ったけどそんな丁寧な言葉を使わない。

普段から慣れなきゃいけないのよ?」











天崎の喋り方も、おっとりとした女性の口調だが、たまにテレビで見るトークの喋りとは、また一つ違う気がする。










まさか、もう役に徹して演技を心掛けてると言うのか?











それが本当なら、演技派女優『間違いなく』NO1と言われる所以も分かる。











その間違いなくと強調した部分が、誰もが実力を認める女優と言えよう
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