王様の、言うとおり

なな。王様と夏祭り




【なな。王様と夏祭り】






夏祭りです。




じめじめと気持ち悪い暑苦しい空気が体を纏います。



「……何で。」





私の前を歩いていくキングはさっきから少し不機嫌です。

その原因は私にあるんですけど……。

『ご、ごめんね……?』

後ろから控え目に謝れば、足を止める事無くコチラを一瞥したキング。

そしてその口からは溜息。

「……朝言ったよね?お祭り行くって。時間も。なのに何で遅れる訳?」

『すみません……。』

「謝って欲しいんじゃなくて。何で、って聞いてるんだけど。」




そんな事言われても。




『……服、に迷いまして……。』




他にもっとキングを納得させる事ができる言い訳も浮かばず素直に言ってしまいます。


私の頭で瞬時にそういう事を考えようなんて無理です。




「服ねぇ。」


すみません。






服をどれにしようか迷っちゃって。





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