Rose of blood

愛するということ

ジェイドの調べてくれた方角に進むにつれ、血と炎、煙の臭いが濃くなっていく。



『煙の上がっているところ、あそこがdarkmoonの本拠地かな!?』

『分からない。そうだとしても何故あんな騒ぎに……』

『とにかく急ごう。もしあそこだとすればローズが危ない』



馬を走らせていると、前から近付いてくる馬の足音が聞こえてきた。


馬にはフードを被った者が乗っていて、顔は見えない。


その者が俺たちの前で馬を止め、フードを下ろした。


馬に乗っていたのはショートヘアーで金色の目をした女だった。



「シエル様でいらっしゃいますか!?」

『あぁそうだ。何者だ』

「私、アマンダの妹のアイシャと申します」

『アマンダの妹だと!?』



アマンダには妹などいないはずだ。


この女嘘をついているのか?


いや、こんなすぐばれるような嘘をついて何の意味があるというんだ。


いったいどういうことだ……。






< 485 / 534 >

この作品をシェア

pagetop