LOVE SONG


そして、成田の曲の詞が出来上がらないまま、CityNoiseはレコーディングの為、オーストラリアに飛び立った。

その日、中里の所に不破と直子の結婚式の招待状が届いた。
中に、友人代表のスピーチの依頼カードも入っていた。

「不破さんの結婚式かぁ」

中里は、不破と別れた日のこと、そして、CityNoiseに出会い、成田と言い争ったこと、チョコレートパフェを一緒に食べたことなど、次々と思い出していた。

『他の奴が何て言おうが、俺とお前は、俺とお前だろ』

「成田くん…」

中里は成田の曲をかけ、原稿用紙に向かってペンを走らせはじめた。
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