LOVE SONG
「なるほどね」

「俺、ちょっと出てくるから」

と、成田は不意に新聞を置いて立ち上がった。

「どこ行くんだよ」

成田の置いた新聞を自分の方に寄せながら、前迫は成田を見上げた。

「散歩」

そう言い残すと、成田は事務所から出て行った。

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