軽業師は新撰組隊士!


一瞬でも、死を望んだのは自分で、それに他人を巻き込むわけにはいかなかった。

できるなら、今は


今は……生きたいと思っている。

土方に出会って、新撰組と関わって……、まだまだ私は子供で、出来ないことも知らないことも多いと分かった。

まだまだ、自分は弱いと知った。


――生きたい。


だけど


「私、三カ月を精一杯生きるよ。」


限られた時間で、精一杯生きていく。

たとえ三カ月しかなくても。



「…そうか。」


克は見抜いていた。
本当は、綱から落ち、地面に激突する一瞬前に、……楓が後悔したことを。

だからこそ、三カ月。
三カ月だけ自分の“寿命”を分け与え、
生き返らせた。



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