誠-巡る時、幕末の鐘-

睡眠妨害って頭にくるよね




―――翌朝、私室




(……ここはどこだ?)




現在、昨日の記憶を捜索中。


もとい、現実逃避中。




そんな時、向こうの方からこちらへ猛烈な勢いで走ってくる二人分の足音がした。




ドタバタバタバタッ!!!




「くぉらぁっ!! 総司!! 待ちやがれ!!」


「嫌ですよ。怒られるのはごめんですからね」


「なら、それを返しやがれ!!」


「それも嫌です。新しい俳句まだ見てないんで」


「おめぇ…いい加減に…」


「するのはお前もだ!!」




バシッ!!!




「うっ!!」




奏が投げた枕が土方の顔面を直撃した。


若干固い枕だったので、土方の顔が僅かに赤みを帯びている。




「危ねぇだろうが!!」




(……ほう? 危ないねぇ)




「人の睡眠妨害してそれか? あ!? 謝罪はなしか? …二度と煩(ウルサ)くできないようにしてやろうか?」




奏の表情はまさしく夜叉。



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