イマージョン
眞奈・優介
「やっほ~」
自転車で眞奈が駅まで迎えに来てくれた。
「眞奈んち歩くと20分以上かかるんだ。だから、にケツね」
「うん」
今日は義則は居ない。もう義則は居ない。眞奈と2人きりになれる。「泊まってかない?」
「え?いーけど、いーの?」
「眞奈、次の日がっこーだけど平気だょ」
「じゃあ、お言葉に甘えて…あっ!化粧水とか持ってきてないよ!どーしよう」
「そんなの眞奈の使えばいーじゃん?いこー」
「その前にコンビニ行っていい?」
「いーよ!」
大事な食べ物を買わなくては。眞奈に御飯を作って貰うのを始めから期待して、お弁当を買わないのも何となく嫌だっので、ミートソースのパスタを主食にして付け合わせにバターロールパン、みかんゼリー、板チョコレートと、塩味お煎餅、ビスケット、飲み物は緑茶。それから、お酒を数本買った。眞奈ちゃんは何処かと、コンビニの店内に、ざっと視線を巡らせると雑誌売り場でファッション誌をパラパラと捲っている。食べ物に目もくれないで雑誌の方が興味深い脳に私も成りたい。そう考えていたら会計を済ませて、レジ袋に沢山詰め込まれた食べ物達が重さが余計に増した感じがする。虚しさと後悔も増した。たまらずコンビニの店員に聞こえる様に声を出した。
「眞奈、おまたせー」
私1人で、こんなに食べるのでは無くて、此処に居る友達と一緒に食べるのですよ。とアピールして見せつける為に。
「はいよ~いこー」
重たいレジ袋を前カゴに乗せて、後ろには座る所が無い自転車の為、私は後輪の中心に足を掛けて、眞奈の細い肩に掴まる。前は重たい食べ物、後ろは重たい私。足のバランスだけが頼りなので、つい眞奈ちゃんの肩に掴まっている手に力が入ってしまう。その度に、細い肩が折れてしまわないか心配になり、掴む力を弱めるけれど、そうするとバランスを崩して自転車から落ちてしまいそうになる。力を弱めては、強める。を繰り返す。
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