重なる平行線

出会い

「自分と同じ顔した奴が世界で三人いるって言うけど、本当にあるんだなぁ、こういうの」

びっくりした、と爽やかさ満載で目の前の怪奇現象を笑い飛ばすあさひ(仮名)くん。

「「……」」

ズズ、と 同時に飲み物を啜る(私のは持参)私と…みずき、という少年。

何故だか成り行きで一緒に食事をしている男子2名と私。

「最初見た時、コイツが女装して現れたのかと思った」ハハハ、とあさひ(予想)くん。
わざわざ制服まで用意してまでやるかよ、と突っ込む少年。

…まぁ、そう思うのも無理ないだろう。
それほどまでに、似ている。
耳が隠れる程のサイドの髪に、首の半分ぐらいを覆う後ろ髪。目にかかったりしない程度に伸ばした前髪。顔すらも、同一である。お互いに中性的な顔立ち、ということだろうか。
二人の相違点は、制服と、身長が少し奴の方が高い、あと性別が違うことぐらいだろう。
…見かけとしては他に見当たらない。
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