もうすっかり片付いたらしい家。

「かわいい~!」

「そう言うと思った」

私の思い描いてたような“アメリカの家”そのまんま。

「キッチンが広い!」

「僕じゃ使いきれなかったよ。お湯を沸かすくらいしか」

「えっ…どんな食生活してたの?」

「うーん…」

悠ちゃんは笑ってごまかした。

なんでも出来ちゃう人だと思ってたけど、意外と家事はできない人だよね…。

そんなところが、母性本能をくすぐって、放っておけない。

悠ちゃんの方が4つも年上なのにね?

「あ、そうだ。手紙を預かってきたの」

日本を発つ日。

珍しくお父さんから預かった手紙。

私宛てじゃなく、悠ちゃん宛てに。

白い封筒を手渡すと、神妙な面持ちで悠ちゃんが受け取った。

封を切って、一通り読み終える。

「…美波にバレちゃったんだね」

「なにが?」

「院長継承のこと」

「うん。でも隠す必要ないじゃない?」

「でも…正直な話、僕にはその覚悟がなかったから。それでも、美波が欲しくて、勢いで承諾してしまって…」

悠ちゃん、悩んでたんだ。

それでも結婚してくれたことに感謝したい。

「…悠ちゃん、好きだよぉ?」

そう言うと、優しく微笑んで抱きしめてくれる。

やっと、戻って来られた。

一番落ち着く、この場所に。

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