龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
第十七話 誘惑ごっこ
「あのね、圭吾さんをユーワクしたいの」


志鶴の爆弾発言に、僕は風呂上がりに飲んでいたミネラルウォーターを噴いた。

志鶴が慌てて近くにあったタオルを差し出す。


「いきなり何を言い出すの?」

僕は、咳込んでそう言いながら志鶴を見た。

『誘惑』なんて二文字は、彼女の口に最も似合わない言葉だ。


だけど、志鶴は目をキラキラと輝かせて

「圭吾さんに夢中になってもらいたいの」

と言う。


「いいだけ夢中だろ?」

骨抜きって言ってもいいくらいだ。


「そういうんじゃなくて、愛し合ってる時に、ね?」


ね?――って……

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