同窓会
それぞれの今
「恭也、お前狙ってただろ。」

「は?」

乾杯が終わって、席についた時に隣に座った佐伯くんが大石くんに話しかけた。

「乾杯の瞬間に入ってこようって、ドアの向こうでタイミング図ってただろ。」

「は?お前じゃないし、そんなことで目立とうとしねぇよ。」

言い合いをしているような口調なのに、2人の表情は生き生きとしていて、本当に仲が良いことがよくわかる。

「最近また忙しいのかよ。」

「ん?まぁな。」

個人的な話をしていることは分かっていても、会話の内容をつい聞いてしまう。

「だから彼女出来てもすぐ振られるんだよ。」

彼女…。

いるよね、大石くんだもん。

でも、やっぱりショックだな。

「良いんだよ。別に本気じゃねぇし。」

大石くんはボソッと呟いた。
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