同窓会
「それって、高校生の時から向こうも綾乃を好きだったってこと?」

先輩の言葉に頷く。

「って、回り道してたってことね。」

一気に脱力してしまったみたいに、先輩は溜息をつく。

「お互いもっと素直になってればよかったのに。」

「ですよね。」

あまりにも正論で、私は苦笑するしかない。

「まぁ、綾乃の場合初恋だったわけだし、勇気を振り絞るのも難しいか…。」

「…はい。」

あの時は、大石くんと私がまさか両想いだったなんて思いもしなかったから。

ううん、違う。

もしかしたら…って思ってもきっと私は告白出来なかったんだと思う。

「ま、とにかくおめでとう。」

先輩は優しく笑って、私の頭をポンポンと撫でた。
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