人こそ美味 part2

俺のお遊び


「静かにしてろっつったろ!!」

半ギレで怒鳴りつける。

「遅い純が悪いんじゃん」

口を尖らせ反抗する。

「おめぇが悪いんだよ!おかげで途中だったじゃねーか!!」

俺は女から名前を聞き出す際に“ごっこ遊び”をする。

「何でそんなに怒るのよ!?」

退屈しのぎに始めた“ごっこ遊び”が今では作業の一環となり、俺はそれを楽しんでいた。

「俺にとっては大事な時間だったんだ」

今度は俺が口を尖らす。

「はぁ?なに?大事な時間って!?もしかしてルナを襲ってたの!?」

呆れた様に言い放つ。

「名前聞くっつったろ!!これから喰う女、汚しやしねぇよ」

「……汚したら食べないの?」

急に静かな口調になった。

「あぁ。肉になる女は絶対に汚さない」

自分の体液を注いだ肉を喰うなんて御免だ。

肉にならない女なんて、2人しか居ない。

永原を愛しているが、その言葉は決して口に出してはいけない。

この関係が無くなる可能性があるからだ。

壊してしまうくらいなら、言わない方がいい。

愛する女を抱けないなんて、男として情け無い。

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