救急の出入り口から中へ入る。
蒼真が血相を変えて現れたので看護師たちが驚いている。


「秋月先生……」


顔見知りの看護師が蒼真の元へ来た。


「女の子が運ばれて来ただろう?」

「はい。奥の部屋で処置しています」


ふたりが部屋に入ると総司朗がいた。
看護師に指示を出しており蒼真に気づかない。


ベッドに紙のように白い顔をした桜が寝ていた。
その顔を見た蒼真の心臓が跳ねる。
蒼真はベッドに近づいた。


「蒼真」


総司朗は隣に立った蒼真を見る。


自信に満ちた男のこんな顔ははじめて見た。
途方にくれたようなぼう然とした顔を。