翌朝、気分はすっきりしないものの桜は起きた。
すでに蒼真は隣にはいない。
白のニットワンピースを着てリビングに行くと真琴がコーヒーを淹れていた。


「桜様、まだ寝ていませんと」


姿を見せた桜の顔色は悪い。


「真琴さん、昨日芳乃さんが私をかばっておば様がお怒りになってしまったの。芳乃さんは大丈夫ですか?」

「桜様はお気になさらないで良いのです。秋月の事は父と母が考えますから」

「でもっ!」


桜はかぶりをふる。
真琴がミルクをたっぷり入れたカフェオレをマグカップに淹れて桜の手に渡した。


「そろそろ父も母も我慢の限界なのかもしれません。今まで良く持ったと思いますから。これは良い機会だったのかも」


真琴は桜に微笑んだ。
真琴に優しい言葉をかけられたが、気分は晴れずに悲しそうな顔になった。


「本当にお気になさらないでください。蒼真様が何とかしてくれます」

「……」


蒼真兄さまが何とかしてくれる……。


そう聞いても桜の胸は痛かった。