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「蒼真兄さま……時間が欲しいの」


別荘に戻った桜は真剣な顔で言った。


「桜? なんの時間だ?」


突然何を言い出すんだと言うように片方の眉を上げてみせる。


「もう私逃げないから……逃げないから……考える時間が欲しいの」


よく考えて出した結論。


蒼真はソファに座る桜の隣に座った。


「考える時間か……」


桜はやっと自分と向き合ってくれるのかもしれない。


今まで私から逃げ続けていた桜。
このまま桜を縛っても逃げていくばかりだろう。
愛しているからこそ、一度手放すべきなのかもしれない。


「どこへ行くんだ?」

「私の居場所は蒼真兄さまの所か……シカゴしかない」

「シカゴか」


あの場所へ行くのは心配だ。