Love&Cocktail
――カランカラン
バーの扉が開いた。
「いらっしゃいま――…あ…!あなたは……!!」
杣沢さんが驚きの声を上げる。
え…?何…?
あたしは気になって中に入ってきたお客様を見た。
そこにいたのは…背が高くて、すごく整った顔をした男の人だった。
歳は……あたしよりちょっと離れてるくらいかなぁ…。
「いらっしゃいませ、佐倉さん。どうぞお掛けください」
杣沢さんは目上の人に話すような口調でお客様に話し掛ける。
「こんにちは。今日はちょっと美島乃愛さんに用事があって来たんです」
へっ?
あたし?
あたしはあからさまに動揺してしまった。