+Black Blood.

8



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(腰が動かない・・・・・・・クソ、仁叉のせいだ・・・・・。全て、何もかも)


横で激しい闘いが起こっているものの、自分が精一杯で気にもしなかった。



(頭がぼぅっとする・・・・・・・・・・

結局ゼロは来ちまうし、もう嫌だ)


体には、紅い印。


(首輪みたい)


ぎゅ、とシルクのシーツを掴む無花果。



(俺、また軍の狗の生活に逆戻りするのか・・)


くん、とベッドを嗅ぐと、微かに甘い香りがする。


(仁叉のにおいだ)



手首には、大きい痣。


(いてぇ・・・・しかも、不気味だ)




ガンッ!バァンッ・・・・


(五月蝿い・・・


ああ・・・・・・・兄さん、)



そのままで首にかけられているネックレスを触る。



(兄さんが、何で居ない・・・・・・・・・・


いつも、ゼロだ)



四六時中常に傍に居た兄を思い出すと、また、虚しさが広がった。



「・・・・・・いたい」



また、無花果はシーツの端を握り締めた。




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