恋する事件簿【完】
第1部 ⑥〜過去〜
叔母さんと少しだけ話をして、私は課に戻った。

報告書で書いてる兄貴の難波の後ろを通り、父親の元へと行く。



「叔母さんと話してた」



「そうか」



「叔母さんが…“本庁に行ったら?”だって」



「…“本庁”だ?」



「行かないけど、叔母さんが…」



「ほっとけ。たく、あの野郎…」



叔母さんと父親は、仲が良いのか悪いのか。

気が強い者同士、喧嘩も絶えない。

…やっぱ言うんじゃなかったかな。

私は自分のデスクに戻り、届いた書類を確認。



「――芽依実ッ!」



その時、懐かしい声が聞こえた。
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