赤い狼 参

:怒りの矛先






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「あ゙ぁ゙?お前、もういっぺん言ってみろや!」





―――…遠くから声がする…。




怒鳴り声?




…何?





ゆっくりと重い瞼を開ける。




そこで視界に入ってきたのは私を心配そうに見つめている連と奏だった。




「銀!銀!稚春が目を覚ましたよ!」



「おい、糞銀!稚春が起きた!」



「…奏、稚春ちゃんが目を覚ました事ぐらい見りゃ分かる。


連、今何つった?"糞銀"って聞こえたのは気のせいか?」



「気のせいじゃね?全く…耳まで糞になっちまったか。」



「お前、後で覚えとけよ。」





言い合いをしている連と銀の声で頭が完全に覚めた。




でも…




「…?」




何でそんなに心配そうに見つめてくるんだろう?




不思議に思いながらも、取り敢えず体を起こす。




「…私?」




あれ?私、いつの間に寝てたの?



しかも此所、棗の部屋じゃない…。






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