天使のキス。
涙と…。



じいじが用意してくれた車で、病院までの道のりを急ぐ。


赤いドレスで病院に駆けつけるなんて、おかしいし、不謹慎だけど。


今は、そんなことにかまっていられない。


早く。
一刻でも早く、病院に着きたい。


焦るあたしの横で、悠があたしの手をギュッと握っていてくれる。


聞きたいことは山ほどあると思うけど、今は何も聞かずに、ただあたしの手を握ってくれている。


その手はすごく暖かくて、すごく安心できて…。


今、あたしがそれを感じられるのは、まぎれもなく健ちゃんのおかげだから。


健ちゃんに、早く報告したい。
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