よく磨かれたバーカウンターの床のうえ。

千広はうずくまって、頭を抱えていた。

うまくごまかされた。

うまく逃げられた。

周陽平に巻かれた。

「クッソ…」

千広は呟かずにいられない。

悔しい!

悔しい!

悔しい!

この悔しい気持ちを、一体どうしろと言うのだろう。

その時、
「小堺さーん、ジンジャエール甘口1つ」

大前がテーブル席から呼んだ。

「はーい」

業務中だと言うことを忘れていた。

今日はお客が1組しかきていないとは言えど、今は業務中。

千広は冷蔵庫からジンジャエールのビンを出す。

後ろの棚に手を伸ばし、グラスを出す。

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