若恋【完】


特別にふたりが必要以上に接することもないけれど、やっぱり面白くない。



「長い目で見守ってやりましょうよ」



いや、それでいいんだが。
ダメだとは思わない。



「若がわかってくれてるならそれでいいんですよ」

「―――わかってるよ」

「嫉妬丸出しはいやですよ」

「わかってるよ」

「若、」

「りおが喜んでるんならそれでいい」



そう。

りおが仁がいることで喜んでくれるならそれでいい―――


この世界の闇の中で、少しでもりおが仁がそばにいることで希望が見いだせるのならば…

闇の中に咲ける花のようであれば…


それでいい―――








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