若恋【完】
永久の別れ



「龍さん。三年前のことを憶えておりますか?」


わたしと榊さんを下がらせて丸眼鏡の男が主に銃を突きつける。


「三年前にあなたがわたしの娘にしたことを許しはしません」



「…娘?」

嗄れ声で呟いて、
丸眼鏡の男を見て、そしてわたしを見た。



「大神組との抗争に巻き込まれて亡くなったわたしの娘です」

「丸井、の、…むすめ?」


「―――あなたは憶えてもいないのですね」

怒りのしっかりとこもった声で一歩一歩とわたしたちに歩み寄ってくる。



「ま、て、何のことだ?」

床に転がったままずりずりと後ろに下がる。

「お前のむすめなんて知らないぞ」

「そうでしょうね」


カチャ、

安全装置を解除する。

丸眼鏡さんは本気で自分の主を撃つ気なんだ。

話から察するに娘さんの仇を討つってこと?




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