朝が待てなくて

足りない言葉


そのとき突然、小さな女の子が「うわーん」って泣き出す声が耳に飛び込んできた。


雫ちゃん!?


泣き声は雫ちゃんではなく、別の知らない女の子が水中ですべったらしく、駆け寄るお母さんに抱き上げられているのが見えた。



ハッと、我に返る。


え…と、雫ちゃんは……?


確か買い出しにはついて行かずにわたしと残ると言っていた。




立ち上がって幼児用プールを見渡すが、雫ちゃんのピンクの水着姿は見つからない。


似たような子はいっぱいいるのに


違う…雫ちゃんじゃない。


あの子も……別の子だ。


あっちを走っていくのは?
…ううん、雫ちゃんはもっとちっちゃいもん。


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