朝が待てなくて

六ヶ月後


9月――

さくらんぼから3ヶ月


顔を見に行くって言ったのに、樹は全然来なかった。



それでも月2回のメールのやり取りだけは続いていて、てか、わたしが一人確固たる意志で続けていた。


忙しい日々、メールを受信するとき以外で、樹がわたしを思い出すときなんてあるんだろうか…。




いやいや、そこは考えないように。


プラス思考でいかないとやってけないもん。


いつか華麗なる変身を遂げて、樹が毎日会いに来たくなるようにするもん。


なんて、これはもう妄想の世界…。


現実世界では、胸の発育も芳しくないし、二学期になって高校受験モードが本格化している。


今も塾で数学の演習問題を解いているところ。


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