超現象管理人 パイロキネシス編
第1章
「真君が、中1の時かな。制服が新しかったから。俺と流岩通りですれ違ったの覚えてる?」
記憶をたどっていくが、流岩通りはよく通っているからわからない。
「俺はすぐに君に気付いたよ。オーラが半端無かったからね」
にっこりと佳伊は続ける。
「部下に言って調べさせたんだ。そしたら君は養子で実のご両親とは決別されてて、原因がパイロキネシスだってね。家燃やしたらしいね」
その言葉に驚く。
「えっ。燃やした?」
佳伊はう〜んと悩む。
「知らなかったのか。それは悪い事言っちゃったな。ごめんね」
家を燃やしたのか。俺?だから施設に預けたのか?

じゃあ、原因は……俺?

「髪を金髪にしてるのは自分に近づけさせない為?」
図星だ。
「俺とかかわったっていいことないから」

「俺は平気だよ。君よりずっと強いから」
そう言って真の頭をぽんぽんと叩く。

「子供扱いすんなっ」
赤くなりながら手を払う。

「なんだよ〜ぅ。子供だろ〜?」
「あんただって変わらないだろう?」
と怒りながら言うと佳伊が笑った。
「俺、20歳だよ」
「えっ!!」
本気で驚く。
この顔はどう見たって同世代だ。20歳には見えない。

「…あんたモテるだろう?」

佳伊はおおという顔をする。

「よくわかったね。モテモテさ」
ははは。と佳伊が笑う。

「その人なつっこさ、その顔、女が好きそうだもんな。俺は嫌い」

それを聞いて佳伊が真の肩を抱いた。

「ひがむなよ〜ぅ。君だってなかなかイケメンだよ〜目の下のほくろがたまんない〜」
真には左目の下にほくろがあった。
「あんたなぁ!!」
と立ち上がった真が気付く。

「部下?」

佳伊はぽんと手を叩いてみた。
「そうそう、今日は君をスカウトしに来たんだ」
「スカウト?」
「うん、君には死んでもらいたいんだ」

笑う瞳の奥にある狂気のようなものに真は息を飲んだ。
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