砂漠に堕ちた天使 番外編

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「団長~、まだバルクーク国へは着かないのぉ~?」


荷台のカーテンから顔を覗かせた赤毛の女の子。



年老いた4頭立ての馬を進ませている男はオシュブと言う。



粗雑な荷台に何日も揺られている踊り子の一座だ。



「あと半日と言った所だ もう少し我慢しろ、ファラウラ」



ファラウラと呼ばれた赤毛の女の子はこの旅芸人一座の唯一の踊り子。



彼女の踊りは誰をも魅了させると、噂が広まり今回バルクークの王室に呼ばれたのだ。



高貴な場所で興行している割には立派とは言えない馬車で移動中だ。



荷台の中にはファラウラを含め、5人の団員。



ひらひらとしたカーテンから顔を出したファラウラは辺り一面の砂に嫌気がさした様な顔をした。



「はぁ~ 砂ばっかり 早くバルクークで美味しいものを食べてお買い物したい~」



「当たり前だろう 国と国の間にはとてつもない砂漠だ たまにはオアシスを見つけてみたいものだ」



「団長!ちょっと!あそこを見てっ!」



ファラウラの指さす方向にひらひらと舞うピンク色の布。



布の周りにはこんもりと砂が盛り上がっている。




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