龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】

圭吾さんが連れて行ってくれたのは、小路を入った所にあるレトロな感じの古いカフェ


ドアを開けるとベルの音が鳴った。


「あら! 珍しい。圭吾ちゃんじゃないの」

カウンターの中にいたママさんが言う。


圭吾ちゃん?


危うく吹き出しそうになった。


「こんにちは。ストロベリーパフェできる?」


「もちろんよ。入って」


わたし達は中に入って窓際の席に座った。


「パフェ、二つ?」

お水を持って来たママさんがきく。


「一つだよ。僕はコーヒーを」


「大人ぶってつまらない子になったわね」


「成人式はもう済ませたからね。この子は志鶴。うちにいる従妹だよ」


「こんにちは」

慌てて挨拶をした。


圭吾さんが誰かにわたしを紹介するのは珍しい。


「いらっしゃい。じゃ、この子が噂のお姫様なんだ」


「そう。どんな噂か知らないけどね」
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