幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

 4

さて――と


あたしは納屋の入口で、顔をしかめた。


――手っ取り早く、納屋ごと燃やすかい?

ジャルグが言った。


「冗談じゃないよ」


とりあえず、あたしは壁際にあった長い棒を手に取った。

古い農具らしく、棒の先にはフォークのように三つ又になった金属がついている。

錆びてはいるが、ヒュドラを除けるくらいは出来るだろう。


――しょうがねぇな。嬢ちゃんが守りたいのは、あの小僧っ子かい?


「そうよ」


あたしは、納屋の奥に目をやった。

そこには、梁から四本の鎖で吊るされた檻があった。

木と鉄の柵で作られた檻の中に少年がいる。


「ルー? ルーでしょう?」


あたしが呼びかけると、悲鳴を上げていた少年はこっちを見た。


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