幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

 2

悩み事が増えてしまった。


自分の将来の事

ローズマリーの目の事

ホークとの関係の事


すべてが行き詰まっている。


おかげで明け方頃に目が覚めた。

部屋が薄明るい。


ローズマリーは目が良くなったとしても、このくらいぼんやりとした光景しか見られないんだろうか。

それとも、もっと悪い?


あたしはベッドの上に起き上がって膝を抱えた。


治してあげたい。

いつかは生まれるであろう、赤ちゃんの顔を見せてあげたい。

ユニコーンの角さえ手に入れば……


「そうだ!」

あたしは枕の下から、サラマンダーの小さなタペストリーを引っ張り出した。

「ジャルグ」


赤い光と共に、サラマンダーはノソノソと現れた。

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