幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

 2

「あはははは」


明るい笑い声が響き渡る。


「そんなに笑わなくたっていいでしょ」

あたしは、笑い転げる親友のローズマリーに文句を言った。


「だって……だって……」

ローズマリーは声を震わせて言う。

「ものすごい音がして、お屋敷から煙が上がるのが見えたのよ。みんなは『火事だ!』って、バケツを持って走り出しそうだったの」


「誰も来なかったわよ」


「そうよ。だってショーンが『きっとサンディだよ』って言った途端に、みんな走るのやめて『ああ』ってうなずいたんだもの」


ううう……


「ショーンがお嫁にもらってくれれば、ホークだってあたしを魔導士にするのあきらめてくれるのにな」


あたしがぼやくと、ローズマリーは目を丸くした。


「あら、ダメよ。ショーンはあたしのお婿さんになるんだから」

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